オンライン授業実施のために

オンライン授業を急遽始めなければならなくなった先生方に少しでも役立つ情報をと思い,このページを作りました。基本的には,録画のためのツール紹介です。手探りでやっているので,間違っていたり,もう少し効率的に出来る点もあるかと思います。その際は,逆に教えていただければと思います。

蔵冨 恵
k-kuratomi[♪]uhe.ac.jp
[♪]を@に変えてください

更新情報

2020/04/22:各ソフトの容量(情報提供)

2020/04/29:Teamsを用いた録画方法

オンライン授業の種類

同期型オンライン授業

  • オンラインを通して実施することを除き,対面式授業とほぼ同じ形で実施可能
  • 個々の顔が対面式よりもよく見える(見られている)
  • 授業準備は対面式とほぼ同じ
  • 同時アクセスによってサーバーがダウンし,参加できない受講生も出てくる

  • 非同期型オンライン授業(オンデマンド)

  • eラーニングに代表されるように受講者が好きな時間に視聴する
  • 授業風景を録画する必要がある(パワポをただ配布するだけはあまり勧めない)
  • 視聴時間が分散すれば,サーバーに負荷がかかることも少ない
  • 受講者の様子がわからない

  • サーバーが同時アクセスに耐えられないものが想定されるのであれば,非同期型のオンライン授業を実施した方が良いと思います。また,一部の受講者は対面で通常授業を,一部はオンラインで参加というハイブリッド型にすることによって,サーバーの負担を抑える手段もあります。


    非同期型オンライン授業の作用・副作用

    作用(受講側の)

  • 対面式よりも成績が良い(e.g., Schoenfeld-Tacher et al., 2001; Wutoh et al.,2004)
  • 聞き逃しても巻き戻せる
  • 副作用(受講側の)

  • マルチタスクが増加する(e.g., Lepp et al., in press)
  • マルチタスクは成績低下を導く(e.g., Bellur et al., 2015)

  • 副作用を防ぐために(講師側の工夫)

  • マルチタスクが生じやすいということを授業開始時に伝える
  • 積極的にノートを取らせる
  • タイピングによるノートは手書きよりも成績低下を導く(Mueller & Oppenheimer, 2014)

  • 非同期型オンライン授業を作成するために準備するもの

    準備するもの

  • 授業用のパワーポイント
  • PCで録音できるマイク(ラップトップのマイクで録音すると,タイピングの音も入る)
  • ウェブカメラ(講師が見えた方が好成績 cf., Wouters et al., 2008)
  • 録画用のソフトウェア


  • 非同期型オンライン授業の作り方

    1.動画(mp4)の作成

    以下のいずれかのソフトを使って,動画を作成する。

  • パワーポイント(有料だけどほぼ入っている)
  • OBS Studio(無料)
  • Zoom(無料 and 有料)
  • Microsoft Teams(有料?)

  • パワーポイントを使った教材作成

    Power Point2016以降から実装された「記録」という機能を利用した作成方法です。パワーポイント単独で作ることができ,最も簡単な方法かもしれません。ただ,私の環境では,動画ファイルの保存にかなりの時間を要しました。

    2020/04/22追記:カメラなしで画質を落として,1分3~4MBぐらい(N.M.先生,情報ありがとうございます)。


    OBS Studioを使った教材作成

    ソフトさえインストールすれば,少し凝ったこともできますし,1度設定すれば別の授業で新たに設定し直す必要もなく,そのまま使えます。



    Zoomを使った教材作成

    最近,脆弱性の問題が多く,録画する際に,オンライン状態でないとソフトが使えないので,それが気持ち悪い人は,パワポやOBS Studioを用いた方が良いかもしれません。

    2020/04/22追記:Zoomによる撮影の場合,1分1MBぐらい(N.M.先生,情報ありがとうございます)。


    Microsoft Teamsを使った教材作成

    無料で使えなくはないですが,有料版の方が機能が充実しているので,有料版の方が良いです。また,Zoomと同様に,オンライン状態でないとソフトが使えません。さらに,撮影した動画はパソコンではなく,サーバー上に自動的にアップロードされます。また,アップロードされたものは設定しておかないと,公開状態(といっても所属機関内)になるため,それが気持ち悪い人はやはりパワポかOBS Studioを用いた方が良いかもしれません。

    カメラありで,1分3~4MBぐらい



    2.動画のアップロード(準備中)

    動画ファイル(mp4)は,録画の設定やソフトによりますが,90分のもので約1GBになると思った方がいいです。また,動画をダウンロードして視聴させる方法もありますが,容量が大きすぎるため,ストリーミング配信にすることをおすすめします。ストリーミング配信できるものには以下のものがあります。


    Microsoft teams

  • 有料プランによって様々だが,合計1TBまで,1ファイル15GBまで(っぽい)
  • 受講者側にもアカウントが必要

  • YouTube

  • 1ファイル128GBまで
  • 同時アクセスにも十分耐えられる(日々,何億人もの人がアクセスしている)
  • 限定公開も可能だが,URLを知っていれば誰でも見えてしまう

  • レンタルサーバー

  • 例えば,さくらサーバーの場合,通常プランで合計100GB,1日80GBまで
  • 同時アクセスにどの程度耐えられるかはサーバー次第

  • 3.非同期型オンライン授業の出席問題

    非同期型オンライン授業の場合,出席をどのようにとるのかが問題になってきます。学校によってそのようなシステムが構築されているのであれば,問題ありませんが,対応していない場合が多いと思います。

    オンライン実験の応用

    オンライン実験では,被験者のID,実験時間,完了コードの3つ(さらにはデータがサーバーに転送されているのかの4つもある)を確認し,謝金の支払いをします。これを応用して,(1)受講者の学籍番号,(2)動画の視聴時間,(3)完了コードから出席をとる方法もアリかもしれません。具体的には以下のような手順になります。

  • 受講前に(1)学籍番号を入力してもらう
  • 受講中の(2)視聴時間を裏で測定する(代返防止)
  • 動画中に完了コードを仕込むなどして,終了後に(3)完了コードを報告させる

  • これらを実装したプログラムを以下のように作ってみた。

    サンプル

    (↑動画は同一サーバーに置いているので,環境によっては読み込みに時間がかかるかもしれません。)

    このプログラムは,動画視聴後,受講者のPCにCSVファイルがダウンロードされるだけでなく,こちらのサーバーにもダウンロートされるので,CSVファイルを提出させて,それと照合という形でも出席をとることができます。

    4.質問の受付

    質問の受付方法は,メールや掲示板が現実的かなと思います。他にも,(同期型でも使える)slidoというサービスを利用して受け付ける方法もあります。

    slido(準備中)

    とりあえずググってください。

    同期型オンライン授業の作り方(基本的に準備中)

    TeamsかZoomかなと思案中。。。

    1.配信方法

  • Zoom(絶対パスワード付き)
  • Teams
  • YouTube(誰でも見えちゃう)
  • 2.出欠

    ログインしているかどうかが授業時に見ることができる。

    3.質問の受付

    ZoomやTeamsであれば,チャット機能があるので,そこにタイピングしてもらうことによって,受け付けることができます(タイピングが苦手な学生もいますが)。または,slidoも手。