chapter: 6 t検定(対応のない)

【例題】サンプルデータ※データは架空  中学1年生と中学3年生とで,授業内の質問数が異なるかを調べるため,ある中学校の中学1年生と中学3年生のクラスの1ヶ月間の授業内の質問数を測定した。学年によって授業内の質問数が異なるかを調べなさい。

 中学1年生と中学3年生は学年という質的変数,授業内の質問数は質問数という量的変数となる。質的変数においては,2水準(中学1年生と中学3年生)であり,これらは異なる人の比較となる。このように異なる質的変数(2水準)と量的変数との関連性を調べるときには,対応のないt検定(Welchのt検定)を用いる。

データの説明

変数名 内容 尺度水準
ID ID 名義尺度
SchoolYear 1 = 1st(中学1年生)
2 = 3rd(中学3年生)
名義尺度
Question 1ヶ月間の授業内の質問数 比率尺度(スケール)

6.1 分析の実施

 値ラベルをデータの説明に従って設定

  1. t検定
  2. 伝統的の独立したサンプルのt検定

  1. 従属変数に(量的)変数を移動
  2. グループ化変数に(質的)変数を移動
  3. 検定の中にあるウェルチ(Welch)を☑(スチューデントは☑のままでも外しても良い)
  4. その他の統計にある効果量を☑にし,コーエン(Cohen)のdを選ぶ
  5. その他の統計にある記述統計量を☑
  6. その他の統計にあるBar plotsを☑
  7. その他の統計にある雨雲プロットを☑ (その他の統計にある記述統計量プロットでも良い)

6.2 出力結果

Group Descriptives

 記述統計として,平均値,標準偏差を図か表でまとめる(赤色の部分)。

 データがどのように分布しているかを確認するために,雨雲プロットも確認する。

独立したサンプルのt検定

 上段のStudentの行が通常のt検定の結果,下段のWelchの行がWelchのt検定の結果を表す。対応のあるt検定はWelchのt検定を用いる(上段が誤りというわけではないが,Welchのt検定の方が適切)。Welchのt検定の結果は,t値(Statistic),自由度(df),有意確率(p),効果サイズ(Cohen’s d)がまとめられている。

6.3 記述例

 中学1年生と中学3年生とで,授業内の質問数が異なるかを調べるため,ある中学校の中学1年生と中学3年生のクラスの1ヶ月間の授業内の質問数を測定したところ,中学1年生の方が(M = 35.2, SD = 2.20),中学3年生(M = 21.3, SD = 2.73)よりも有意に質問数が多いことが明らかとなった(t(78.56) = 25.83, p < .001, d = 5.61)。