chapter: 10 無相関検定

【例題】サンプルデータ※データは架空  小学6年生において,1ヶ月の読書量と語彙数に関係性があるかを調べるため,1ヶ月あたりどのくらいの読書時間(時間),語彙数テストを行った。語彙数テストでは,1分間「た」の単語を出来るだけ多く生成することが求められた。読書量と語彙数に関係があるかを調べなさい。

 読書量は量的変数,語彙数も量的変数となる。このように量的変数同士の関連性を調べるときには,無相関検定を用いる。

データの説明

変数名 内容 尺度水準
ID ID 名義尺度
Reading 1ヶ月あたりの読書時間(時間) 比率尺度(スケール)
Vocabulary 1分あたりの語彙数(個) 比率尺度(スケール)

10.1 分析の実施

  1. 回帰
  2. 伝統的の相関

  1. 変数に量的変数2つを移動させる
  2. 標本相関係数のピアソンのrを☑にする(最初から☑になっている)
  3. 追加オプションの中の有意な相関のフラグを立てるを☑にする
  4. プロットの中の散布図を☑にする

10.2 出力結果

ピアソンの相関

 記述統計として,相関係数を報告する。また,p値と書かれているところ,無相関検定の結果となる。

 相関係数が関係性の強さを表しており,値に応じて,以下のように表現することが多い。

負の相関 表現 正の相関
0 > r ≧ -.2 ほとんど相関がない 0 < r ≦ .2
-.2 > r ≧ -.4 弱い相関がある .2 < r ≦ .4
-.4 > r ≧ -.7 比較的強い相関がある .4 < r ≦ .7
-.7 > r ≧ -1 強い相関がある .7 < r ≦ 1

 データがどのように分布しているかを確認するために,相関のプロットも確認する。

10.3 記述例

 読書量と語彙数の関係性を調べるため,小学6年生に対して,1ヶ月の読書時間と語彙数を調査し,それをもとに無相関検定を行った。その結果,読書量と語彙数の間に比較的強い正の相関が有意となった(r = .62, p < .001)。つまり,読書量が多いほど,語彙数も多くなることが明らかとなった。