chapter: 13 2要因分散分析(混合計画)

【例題】サンプルデータ※データは架空  中学生と高校生によって,オンライン授業の効果に違いがあるかを調べるため,A中学校の2年生とB高校の2年生にリアルタイムのオンライン授業と,対面授業の両方それぞれ体験してもらい,各体験後に内容についてのテストを実施した。中学生と高校生によて,オンライン授業の効果に違いがあるかを検討しなさい。

 中学生と高校生は学校という質的変数,オンライン授業と対面授業も授業形式という質的変数,テスト得点は量的変数となる。このように,質的変数が大きく2種類あることは2要因となり,学校要因については被験者間,授業形式要因は被験者内となる。このように,被験者間と被験者内が両方ある計画のときには,2要因分散分析(混合計画)を用いる。

データの説明

変数名 内容 尺度水準
ID ID 名義尺度
School 学校
1 = Junior High(中学生)
2 = High(高校生)
名義尺度
Online オンライン授業受講後のテスト得点 比率尺度(スケール)
In-person 対面授業受講後のテスト得点 比率尺度(スケール)

13.1 分析の実施(分散分析)

  1. 分散分析
  2. 伝統的の反復測定分散分析

  1. 反復測定要因の中の新しい要因に被験者内要因の要因名を入力
  2. 3の水準名を水準に入力
  3. 4で入力したものが反復測定のセルに反映されるので,それぞれに対応したデータを移動する
  4. 参加者間要因のところに,被験者間要因となる変数を移動する
  5. 表示の中の記述統計を☑にする
  6. 表示の中の効果量の推定値を☑にし,η2<>と偏ηp2と一般化ηp2を☑

  1. ▶記述統計量プロットをクリック
  2. 横軸に独立変数の1つ移動
  3. 分割線に独立変数のもう1つを移動
  4. 表示の中にあるエラーバーの表示を☑
  5. Y軸のラベルに従属変数名を入力
  6. ▶雨雲プロットをクリック
  7. 横軸に独立変数の1つ移動
  8. 分割線に独立変数のもう1つを移動
  9. Y軸のラベルに従属変数名を入力

  1. ▶周辺平均をクリック
  2. それぞれの独立変数を移動

13.2 出力結果(分散分析)

記述統計量

 記述統計として,平均値,標準偏差を図か表でまとめる。

 データがどのように分布しているかを確認するために,雨雲プロットも確認する。

 さらに,片方の要因をつぶした平均値も算出されている。これは主効果の大小関係を把握する際に用いることができる。

ANOVA

 混合計画の場合,分散分析の結果が,被験者内計画(Within Subjects Effects)と被験者間計画(Between Subjects Effects)の別々に算出される。それ以外はこれまで同様に,主効果はCaseの中の単独の要因名,交互作用の結果はCaseの中の「要因名*要因名」となっている。それぞれの結果は,F値(F),自由度2つ(df),有意確率(p)がまとめられている(2つめの自由度はResidualsにあるものですべての結果において共通)。

 参加者内効果と書かれている表が,参加者内要因(今回の場合はLecture)についての主効果および混合計画の交互作用を表し,参加者間効果と書かれている表が参加者間要因(今回の場合はSchool)についての主効果を表す。

 交互作用の結果が有意だったときには,具体的にどこに差があるかを調べるため,単純主効果の検定を行う。

13.3 分析の実施(単純主効果の検定)

  1. ▶単純主効果をクリック
  2. 単純効果を検討する要因に差があるかどうかを調べたい変数を1つ移動する
  3. 調整要因1にもう1つの変数を1つ移動する

13.4 出力結果(単純主効果の検定)

Lecture要因についての単純主効果(Simple Main Effects - Lecture)

 調整要因毎に検討する要因があるかの結果が出力されている。これらの結果に報告に必要なものは,F値(F),自由度2つ(df),有意確率(p)となる。

 上述の結果をまとめると以下の通りである。

  • 中学生における授業形式の単純主効果(1行目):F(1, 9) = 6.961, p = .027
    • 中学生において,対面授業の方がオンライン授業よりも有意に得点が高いことを表す(平均値から判断)
  • 高校生における授業形式の単純主効果(2行目):F(1, 9) = 1.969, p = .194
    • 高校生において,対面授業とオンライン授業の間に有意な差はない